ちょっと脱線するが。この議論の元ネタは 芦屋広太 ひとつ上のヒューマンマネジメント : 5分で人を育てる技術 (5)言うことを聞かない“自信過剰な部下”_ というコラムから始まっている。
このコラムは要するに、勝手に仕事をする出来る人材よりも、言う事を良く聞く遂行能力だけは高い「プロ奴隷」を育てるにはこういうパワーゲームでキャンと思い知らせてやれば良いんですよ。という話が書いてあると解釈した。(つまり人間としての正当さとか仕事の意義とかはどうでも良くて、組織の上下関係を叩き込むという昭和的な価値観の人にしか読ませるつもりは無い。それが「良い」か「悪い」かはまったく別の議論だろう。もっとも、このコラムで反応している人のほとんどは、そのポイントでしか議論をしていないと読み取るのが正しいのだが)
で、一番最悪なのはコラムの説得力を持たせるためのキーポイントになるギミックが
芦屋:坂本,この「貴方の営業ご担当者様が販売活動しやすいように工夫しています」という表現は,抽象的で意味不明じゃないか。意味が分からないから,「先方へのアピール」になってないんじゃないか。説得力もないよ。ここは,具体的な事例を使って修正すべきだな。どう修正すればいいか考えてよ。というツッコミどころ満載な揚げ足取りのトホホなプロットでしかないので、さらに批難轟々になりがちというところ。
坂本:いや,ここはこれでいいんですよ。この文章はあえて抽象的でいいんです。いろいろ,イメージを膨らませてもらう効果が出ればいいんですよ。
このコラムで「頭の良い人材じゃなくて、プロ奴隷を調教する黒い手法を教える」のであれば、ミステリー小説のレベルで「うーん、その謎解きは一本取られたわ」「たしかに坂本くんはこのまま放置すると自分勝手すぎて自滅しちゃうよな」と読者を唸らせるようなギミックにしないと説得力無さ過ぎて駄目だろう。
要するに単なるへたくそなコラムなだけだと。
で、話を戻すけど。
文系は高い給与をもらって、理系は安いから問題だ。みたいな話が、たまにblogで議論になったりニュースで「ものづくり日本の復活」みたいな文脈で軽く触れられたりするけど。
思うに、「この仕事はその人じゃなければ出来ないんだ」という属人性の高い仕事に、高いサラリーを支払う仕組みってのは会社経営的には脆弱なんじゃないか?
だってIT技術者に辞められちゃうと、脳の中身まで法人に置いてもらう事はムズイし。(たまにNDAだとか特許だとか同業他社への一年間転職禁止の契約みたいなので、それを実質的に実現しようとする事例はあるみたいだけど)
だから可能な限り「その人にしか出来ない事」ってのは希釈して、従順で凡庸なプロ奴隷をあてがえば動くような組織とシステムにしておく方が合理的なワケだ。
特別な存在に、高いサラリーを支払うことはリスクになってしまうと。



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